ビジネス・エシックス
企業は、個人に対し、モラルあるいはモラール(志気)の名において、「忠誠心」というものを何らかのかたちで要求する。
そしてこれは、「言論の自由」と対立する。
内部告発の道徳的条件―「道徳的に許される告発」について、
以下、R.T.DeGeorge著『ビジネス・エシックス』より。
1.会社が、その製品ないし政策を通じて、公衆、すなわちその製品のユーザー、罪のない第三者、あるいは一般大衆に対して、深刻かつ相当な被害を及ぼすこと。
2.(上の条件下で)直属の上司にそのことを報告し、自己の道徳的懸念を伝えるべきである。
3.直属の上司が、自分の懸念や訴えに対して、何ら有効なことを行わなかった場合には、従業員は内部的な手続きや企業内で可能な手段に手を尽くすべきである。これらの手段には、通常、経営の上層部や、必要であり、可能な場合には取締役会に報告することも含まれるであろう。
4.内部告発者は、その人物のその状況に対する認識が正しいものであること、また、その企業の製品あるいは業務が、一般大衆、またはその製品の使用者に、深刻で可能性が高い危険を引き起こすということを、合理的で公平な第三者に確信させるだけの証拠をもっているか、入手しなければならない。
5.従業員は、外部に公表することによって必要な変化がもたらされると信じるに足るだけの十分な理由を持たねばならない。成功をおさめる可能性は、個人が負うリスクとその人に振りかかる危険に見合うものでなければならない。
(写真@London)