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現実が追いつかない

「学生から社会人になる間の期間に、出産する期間を設ければいいんじゃない?その期間の出産を奨励する期間。そうすれば、若いうちに産めるし。」

本日、晩産化や非婚化などへの対策諸々について話していたら、あるインテリ女性に、そう言われた。
なんだかんだ言ってもやはり、希望と意欲のある女性は、子どもだって欲しがっている。
出産や育児程度のことをやりこなせなくてどうする!くらいの勢いで、キャパシティの広さと、懐の深さと、前向きな希望を持っている。
(『希望格差社会』はこういう部分にも垣間見られる。)
恐らく、本当に自立した女性は、子どもを育てるだろう。
本当に自立した女性は、自分自身の人生だけに留まらず、ある人間を一人前に育て上げる行為自体に喜びを感じられる能力と感性が備わっているだろう。
豊かに自立するとは、そういうことであろう。
そうか。
やはり、皆、産みたいんだ(あるいは、育てたいんだ)。
意識と行動に質的な解離があるとして、それが、自分一人ではどうすることもできない隔たりだとしたら、それは「社会」の次元の問題である。
なんとかしなくてはならない。
政治や行政は、法律と経済中心で動かされており、それによって回されているのが現状だ。
そこには「社会」の視点が抜け落ちている。
あったとしても、ある分野の社会政策のところに、ちょこっとあるだけだ。
私は今まで、「政策」というのは成功しないと考えていた。
だが、今日目の当たりにしたようなポジティヴで明るい輝きみたいなものを無視することは、本質的に私にはできない。
アクチュアリティの濃い、有効で有用な政策を生み出すことは、決してナンセンスではないはずだ。
ただ、現在検討されているいわゆる「子育て支援」系の時代遅れのものは、全く論点がずれている。
実に馬鹿げた、低次元の議論だと思う。
別に補助金がもらえるから子どもを産もう、となるわけではない。

冒頭に挙げたセリフの例は、高齢出産の厳しさを物語っていると同時に、「途中でリタイアしたくない。」という意志も含まれている。
働き始めて「途中」でスパンを置くのが、悔しいというかやるせないのだと思う。
走り始めてしまったら、もう止まりたくないのである。
走り始めてしまったら、もう止まれないのである。









《補足》
別レベルの問題として、雄性の生殖細胞をどこからもらってくるかという点がある。
同じく、誕生した赤子に対する(赤子と自分の関係に対する)その後の危機管理能力も問われる。
その他にも、あらゆるレベルで対処する項目が存在する。
したがって、育児は最も総合マネジメント能力が必要とされる仕事だと言える。









でも多分やれば皆できるんだろう。(そうじゃなかったら生物として困る)
やらない人はできない。
by epokhe | 2005-09-10 00:12
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