映画『美しき野獣』
映画『美しき野獣』鑑賞。
面白かった。
人生は全て、「復讐」なのではないかと思ってしまう。
復讐のためなら、人間は何でもできる。
例えば、何かを克服しようと躍起になる人間は、その克服する対象に対して復讐している。
例えば、何かで成功したいと願う人間は、成功しないかもしれない未来の自分に対して復讐している。
復讐の対象が「或る誰か」の場合、この信念はとてつもなく顕著で、文字通り「命を賭けて」突き進む。
「全てを賭けるな。」と、ヤクザのボス役であるユ・カンジンは言う。
一方、チャン刑事とオ検事は、全てを賭けた。
どの国の社会も、マフィアや暴力団はじめ、「ヤクザ的なるもの」があって初めて成り立っている。
ルールなんて、あってないようなものだ。
マトモじみた企業や集団が、ルールをはみ出たヤクザっぽいことをすると、一気に押し潰されるが、ルールを抹消あるいは操縦して究極のヤクザに成り切ってしまえば、世間で堂々と存在し続けることができる。
奇妙なことほど現実に棲みつく。
同じ論理で、「警察は制服を着たヤクザだ」とも言われている。
政治家が、チンピラではなく真正のヤクザになれた時、政治は変わるのだと思う。
クォン・サンウは、ワイルドでかっこよかった。
ユ・ジテも、相変わらずイイ味出していた。
183㎝のクォン・サンウより、だいぶ大きかったユ・ジテは、一体どのくらい身長があるのだろう。
二人とも、刑事・検事として、貫禄と迫力を醸し出していた。
韓国のヤクザ映画は侮れない。