さみだれ/黒澤明『羅生門』/墨
雨のボキャブラリーは、日本に何と400も存在するのだ。
今日、関東地方も入梅した。
梅の実のなる頃に降る雨だから、「梅雨」。
梅雨は、6月~7月中旬にかけて、日本・揚子江沿岸地方に起こる「雨期」である。
「つゆ」とも読むし、「ばいう」とも読むし、別名「五月雨(さみだれ)」とも言う。
「白雨(はくう)」という雨もある。
白雨は、夏の夕立や、にわか雨を指す。
白く見える雨・・・。
日本の絵画や映像は、雨を描いている。
他の国では、雨は描かない。
黒澤明監督の映画『羅生門』では、水の中に墨汁を入れて灰色の水を作り、
雨を降らせている。
まさに、機械仕掛けの水墨画だ。
白黒は、日本で最高の色であった。
「青墨に五彩」である。
墨には無限の色がある。
2004年6月6日