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虚の中の苦

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某大手証券会社の友人Wが、仕事で苦しんでいる。
昨夜も電話がかかってきて、何か良い方法はないかと悩んでいた。
私を頼りにしてくれるのは大変嬉しく思っている。
Wはプライドが高く、仕事や勉強にも熱心で、
自分の能力に自信がありまくる人間だと最初は思っていた。
勿論、今もそうであるが、段々と
「本当はそんなことない」という面を私に開示するWを知る。
私というのは、人に「自己開示」を促す力でも持っているのだろうか、
とよく思う。
そして、話を聴いていると、どうやらWは人間に対して興味が全くないらしい。
株とか債券には非常に関心があって、そのための勉強も研究も大好きらしいのだが、
人間(つまり、お客さん?)には本当に興味が湧かないようなのだ。
で、結局うまくいかない・・・と。
「この仕事は頭良くなくても結果が出るし、頭悪い奴の方が成績いいんだよ。」
と、やや嘲笑的に嘆いたり、
同僚に対して、「『人間力』とかいう曖昧なところで勝負してるんだ。」
と、馬鹿にしたりしている。
でも、「金融」自体は物凄く評価していて、「金融最強!」的立場のW。
よって、今更ながら私にも金融の世界で働くように強く勧めてくる。
「何かモノつくって売って、どんなに売れたとしても、儲けはたかが知れてる。それに、
貴女は今まで何かモノつくってきたの?違うでしょ?ずっと「虚」でやってきたんだから、
唯一「実業」じゃなくて「虚業」の金融の世界でやってくのが一番説明つくんだよ。」とか、
「日本の金融は弱いから、外資に行けばいいじゃない。貴女、英語もできるんだし。」
とか、言ってくる。
(英語なんかは前提条件で、評価の対象ではないと思う。)
しかし、悪いけど、そこに「虚」を感じないほど盲目にはなれないのだ。
たとえ私がやったとしても、ああいうことが本気で心から好きな人には敵わないし、
それ以前に、自分がやろうとは夢にも思わない。
自ら進んでやりたがっている人にやらせておこう。
好きな人が一生懸命やってくれるのが世の中的に最適だと思う。
Wだって金融を信じてるし好きなんだから、きっと何とか、
苦しい今の状態を乗り切れるはずだ。
by epokhe | 2004-08-09 23:16
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