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Henri Matisse : Process/Variation

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国立西洋美術館にて、「マティス展」を観てきた。

マティスの作品は同一主題のヴァリエーションが特徴的である。
そこに流れるのは、幾つもの「変奏」。

パリの『ノートル=ダム』の表情は、七変化どころではない。
『ジョルジュ・ベッソン』は、明治時代の日本人風の顔つきから、白塗りマスクへと変わる。
彫刻の『ジャネット』はⅠ~Ⅴまで5つのヴァリエーションがあるのだが、
段々と姿が宇宙人化し、性別の判別ができなくなってゆく。
ブロンズの『背中』は4通りあり、ゴツゴツしつつも肉っぽい女性の背中が
最終的にサボテンへと押し潰されてゆく。

そして、マティスの描く「キリスト」は「女性」であった。
「イエス」は女性の姿形をしている。

彼の描く女性の中で、最も美しかったのはアントワネット・アルノー。
アントワネットは、彼に多くのデッサンによる作品をもたらした。
特に、白い羽根帽子を被ったアントワネットは、本当に綺麗である。

さらに、マティスの作品は「色」が鮮やかだ。
彩りが目に焼き付く。
色合いの連鎖。
赤と紫、青と緑、黄色と青、青と赤、そしてバラ色。
鮮明な原色であったり、やわらかな中間色であったり・・・。
また、墨を使った彼の絵画は新鮮だった。

今回の展示品はほとんどが絵画で、彫刻が少なかったのが残念だが、
マティスの作品を総じて表現するなら、「眠りと夢とバラ色」。
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by epokhe | 2004-09-16 21:44

TSUTAYA TOKYO ROPPONGI/巡り会い

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TSUTAYA TOKYO ROPPONGIによく行く。
昨日は掘り出し物を発見して、即購入した。
それは、寺山修司の≪思い出復刻版≫!
『ひとりぼっちのあなたに』、『さよならの城』、
『はだしの恋唄』の3冊セットである。
文:寺山修司、画:宇野亜喜良で、レトロでステキな装丁。
しかも箱入りで、本体価格3800円也。
このうちの1冊の「ひどく短いまえがき」には以下のように書かれている。
【この本は幸福そのものではありません。幸福のかわりに机の上に置いて下さい。】


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はい、机の上に置いてあります。
寺山修司、何と浪漫のある魅力的なおヒトでしょう!
この≪思い出復刻版≫、私のちっちゃな宝物にします。

それと、もう一つ、HOLGAのカメラを購入。
ここのTSUTAYAは芸術・建築系の本が多く、
カメラ等も売っている。
私が買ったものはメカとしては良くないが、
写り方が独特な魂を持ったカメラ。


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TSUTAYA TOKYO ROPPONGIの2階と、フードマガジン(24hスーパー)の2階は通路でつながっている。
帰りはフードマガジンで食材を買って家路を急ぐ。
すると、例の如く道を尋ねられる。
男性3人組の観光客だろうか。
「帰り道のついでに、オネエサンに道案内してもらおう。
後ろに付いていきますので。」
と言われ、オヒトヨシな私は彼らを率いる。
道案内後、「ありがとう。優しい子で良かった!」と言われ、
一日一善というあったかい気持ちになった。
こちらこそ、ほのぼのとした安全な方々で良かった!
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by epokhe | 2004-09-15 16:57

半蔵門線と数々の奇妙な男達

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先日の夜、某駅から地下鉄半蔵門線に乗りドア付近に立つと、
スーツ姿の男性四人が続いて乗ってきた。
そして、彼らは私の隣りに立つ。
20代後半が3人、40代が1人(←3人の上司だろうか?!)。
すると、彼らのうち1人が
「すいません、これって何線ですか?」
と私に話し掛けてきた。
「おーいっ!イイ歳した男四人揃って、自分達の乗ってる《線》が分からないなんていう、阿呆な話があるかーっ!切り出しが不自然過ぎるよー。」
と思ったが、ここで歯向かったりシカトしたりして
逆上とか乱暴とかされちゃっても、こっちが馬鹿を見るので
「半蔵門線です♪」と造り笑顔で応えてみた。
どうやら、彼らは銀座線に乗りたかったらしい(ホントにそうなのかは知らない)。
「そうだ、銀座線はだいだい色だったよねぇ。」
とか何とか言って4人は満面に笑みをたたえている。
・・・(以下省略)・・・。

今回も男性4人組に話し掛けられたし、今まで半蔵門線には奇妙な思い出しかない。

高校生時代のある日、半蔵門線ホームへの階段を降りようとしたところ、
上ってくるエスカレーターに乗っている男性が私をジーッと見ている。
昼間であるし、人はまばら。
「なんなんだ、あからさまで気持ち悪いなー。」と思って怪訝な表情を向けても
その男性はお構いなしに、ずっとずっと、こっちを見ている。
そして!
上ってくるエスカレーターの男性とすれ違う時、私は衝撃的なモンを見てしまった!
なんと、その男性は私を見ながら「手淫」をしていたのだ!!!
そう、自慰行為を・・・・・・。
もう、ぶったまげて、ぶっ倒れそうになった。
地下鉄構内という公共の場で、しかも真っ昼間から、そんなもんの対象にされてしまうとは
まさか思ってもみなかった。
その男性は私とすれ違った後も、振り返って私の顔を見続け、「手淫」をし続けていた。

他にも奇妙な思い出が色々とあるが、機会があればまた。
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by epokhe | 2004-09-14 20:00

"I Shop Therefore I am"の行方

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愛と資本主義について考えるなら、やっぱり岡崎京子ということで
以下、岡崎京子『我買うゆえに我有り』より。
(90年11月だからチョット古いけど)
(cf.岡崎京子ネタでは⇒解決不可能性による内破

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あたしお買物マニア。
買い物好きです。
ヨーフク ごはん 本にCD かわいいもの でもマンションかえません。

オレ買物マニア。
買物好き好き。
ヨーフク ごはん 本にCD カッコイイもの。
でも東京タワーは買えねーよ。

あたし月 水 金に燃えるゴミだします。
火よう日に燃えないゴミだします。

おれ火曜日に燃えないゴミ出す。
月 水 金に燃えるゴミ出す。

買物とゴミ出しの毎日に飽きた2人はある日恋に落ちたのです。
2人はお金で買えないただ一つのもの“愛”を手に入れたのでした。

だがしかし
2人の物欲はとどまるところを見せませんでした。

インスタント生活はゴミだらけ。
でもエコロジーなんて関係ナイ。
ゴミバコにポイ!!ってすてちゃおう。

オジサンはいーなー。
ゴルフの会員券 女買えて いーなー。

ボデコンギャルちゃん。
男にシャネル ブルガリ シルバーフォックス 買ってもらっていーなー。

金もちのバカボンボン。
オヤにBMW買ってもらっていーなー。

でもいいのさ。
オレ達には“愛”があるもん。
2人ですめばフロ付きワンルーム。
TVは36回ローンの32型だ!!
ビデオでえーがも見れるし こぜにがあればビールものめる。
セックスだって出来ちゃうよ(これはあんまり関係ないけど)。
350円のチューリップ一本あれば 冬でもオレ達の部屋はもう春なのさ。
たまにはケンカもする。
ケンカをすれば買物すればいい。
レッツゴー ショッピング!!
買って買って買いまくろう。
愛も憎しみも悲しみも 物欲がキューシューしてくれる。
これは一種のヒステリア。
これは一種の自己治療。
オサイフがカラになった頃気もちも軽くなるよ。

東京は資本主義の夢の島。
何でも売ってて 何でも買える。
買わないと殺される(でも一体だれに?)。
負けないぞ!
買って買って買いまくってやる!!
なんたってオレ達は・・・
この日出処の消費の島国の 王子様と王女様なんだから。

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「資本主義の夢の島」「日出処の消費の島国」東京では、
男の子も女の子もフツーに壊れてしまっている。
オジサンもオバサンもフツーに壊れてしまっている。
愛も資本主義もほんわかと満ち満ちた生やさしいものではなくて、
困難で手加減なしの怖い無慈悲な化け物みたいなものだ。
しかし、愛や資本主義にブルブル怯えてたって仕方ない。
立ち向かってやれば、案外何とかなっちゃうかも。
資本主義に呑み込まれて染まってる人は「買わないと殺される」っていう
強迫観念症の人みたいだ。(でも、ほんと一体誰に?)
みんな、フツーの幸せを目指した結果、みんな、フツーに壊れてしまって
オモチャみたい。
私は愛も資本主義も幸せも恐がらない。
岡崎京子はすべての仕事は売春であるという言葉を然りとすると共に、
すべての仕事は愛でもある、と言ってた。
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by epokhe | 2004-09-12 21:10

個人を超える性

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宝くじの確率に因んで、
昨年の早稲田ウィークリーの記事を引っ張り出してみる。
以下、早稲田大学学生部が毎週木曜日に発行している
『早稲田ウィークリー』第1004号(2003年7月17日)より。
(STD・妊娠・レイプに関する記事)

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「約2割の確率」と言われたら、これが宝くじなら「素晴らしい高確率だ!」と、
みんな当たる方にかけて競って買うだろう。
ところが同じ2割でもSTDや妊娠だと
「なんと低い確率か?!自分はアタラナイ」と思い込む。
こんな身勝手な思い込みが悲劇を生む。
「STD対策と避妊ならコンドーム」とは誰もが分かっているが、男性の協力が不可欠。
「毎回付けてとは言いにくい」という女性も多く、装着をめんどくさがる男性もいる。
クラミジアなどのSTDに無関心で治療も行わずにいると、
より深刻なHIV感染リスクが2~4倍になる。
しかし、現実にSTDに感染したり望まない妊娠をした場合、
投薬や手術で危機はしのげるだろう。
だが、問題は体の傷より心の傷だ。
心身ともに女性に圧倒的に負担がかかる。
更年期になって精神的な問題が表面化するなど、心の傷は後々まで残る場合もある。

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夏休み後の全国の医療相談機関ではSTD(性感染症)・妊娠・レイプなど
性にまつわる相談が激増するという。
無知な人が多い。
知識はあっても実際の場で自分の意志を相手に伝えられない人が多い。
何がなんだかワケも分からずとりあえずセックスしている人達もいる。
性にまつわる言語化できないパワーは、時には悲惨な結果をもたらすだろう。
其の場凌ぎで逃げちゃ駄目だ。
そんな甘っちょろいもんじゃない。
もはや、個人的な行為のレベルではなくなっている。
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by epokhe | 2004-09-12 00:57

「福」を抱え込む女

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平成16年暑中見舞用郵便葉書の当選番号を、
念のため確認した所、全てハズれていた。
A賞もB賞もC賞も全部駄目だった。
私に届いた暑中見舞葉書はどれもハズれてしまった。
大した事ではないが、当たっていたら馬鹿みたいに喜んだかも。
そういえば、今年から「かもめーる」というのが消えた。
暑中見舞用郵便葉書は残存だが、「かもめーる」という愛称が消えた。
葉書の表にカモメのイラストは書かれているけれど、
「かもめーる」というものは今年から消滅してしまった。

「宝くじの日記念」宝くじの、販売最終日の今日、某宝くじ売り場にて
残っていた宝くじを全て買い占めた女がココにいるが、
その女は上記の通り、極めてクジ運がないため、
抽選日の明日、その女に「たかろう」としても、
その行為はこの上なく無駄であることを忠告しておく。
宝くじ売り場オーナーのオジサンは、残りの宝くじを買い占めた私に、
《ごま好き》という名の煎餅を2袋くれた。
ニコニコしていて笑顔が可愛らしい、このオジサンの行為は、一体何を意味するのか?
「残り物には福がある」の「福」が、この《ごま好き》なんて名前の煎餅だということか?
《ごま好き》という名の煎餅で、暗号的・暗示的にプロポーズでもしたかったのか?
オジサン自身がもれなくついてくることが「福」だ、ということを主張したかったのか?
何だかよくある不可解な現象だが、とりあえず、抽選日までは
《ごま好き》をキッチンの辺に置いて、取っておこうと思う。
なんなら、拝んでやっても良い。
明日限定の真の「福」は、番号という記号である。
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by epokhe | 2004-09-09 22:24

ゴダール論のほんの一部 ―Jean-Luc Godard―

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Jean-Luc Godard (ジャン=リュック・ゴダール)
映画監督
ヌーヴェル・ヴァーグ
1930年12月3日生まれ(出身地:フランス/パリ)

(Cf.記憶と歴史と出自の抹殺

【1】
ゴダールの人物は何でもやってのける。
事実、彼らが心理的典型に属さないことは、何度となく指摘されたことである。
『勝手にしやがれ』の女主人公は、各ショットごとに我々の理解を阻む。
彼女の行動は、一瞬一瞬矛盾し合っているかのごとくであり、
それは、男を愛していないことを自らに証明するため、
愛している男を警察に告発する時頂点に達する。
これに反し、『女は女である』のアンジェラは、ある考えを抱くと、
その考えを徹底的に突き進む。
つまり、ゴダールの世界には、二種類の人物がいることになる。
すなわち・・・・・・
――明確な判断に従う人物。
――重心を見出せず、矛盾の中を彷徨う人物。

【2】
ゴダールは、何でもいってのける者を映画にする。
それはまず、愉快なものとして受け取られた。
だが、二度目の映画で、人々は非難した。
それは本当に無意味である。
何も言わないために喋るようなものだ・・・・・・等々。
しかし、実のところゴダールの映画において、
何が語られているかは、誰も知らなかったのだ。
ここで再び矛盾と非論理が勝利を占める。
ただ、『軽蔑』の中でフリック・ラングはこう言うだろう。
「非論理が、論理に逆らって進むことは、論理的です。」
ゴダールの人物を語ることは、この非論理的論理の方向に向かうことである
と言えるようだ。

********************************

「言葉と行動における自由人」の視線を、ゴダールはたどっていた。
【1】の中で触れた『勝手にしやがれ』は、彼の長編デビュー作である。
ゴダールの前期の作品は「自由」。
後期の作品はプロパガンダになっているから、味が違ってしまうのだが。
前期と後期の質的差については、また機会を改めて・・・。
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by epokhe | 2004-09-07 02:12

私の正体は業者の人

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もしもし、えー、107号室のオカノですけれども、こんにちは。
えーと、すいません、あの、先日直して頂いた雨漏りの所なんですが
二箇所のうち一箇所から、また、あのサクジツから雨が漏っております。
再度、宜しくお願い致します。
ワタクシはもう出掛けてしまいますので、
夜遅くにしか戻らないんですけれども、
アスの朝一か夜で結構です。
お電話を下さい。
宜しくお願い致します。

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あれ、先日、雨漏りの修理なんかしてあげただろうか。
覚えていない。
しかも、丁寧に万全に直さなかったせいで、一箇所から雨漏りが再発したらしい。
この、わりとしっかりした口調でお話しされるオカノさんという女性に、
電話をしなくてはいけない。
だが、電話番号が分からない。
オカノさん、のうのうと出掛けている場合ではないと思う。
貴女のお宅の雨漏りが心配。
それにしても、私が雨漏り修理業者の人間だったとは気付かなかった。
台風の季節は、お仕事が多忙の極みだが儲け時のはず。
ところで、私はいつからこの雨漏りの仕事を始めたのだろう。
全く思い当たらない所で、私が商売をしているというのは不気味である。


追記:これを読んで「コイツは気違いだ」と思った方は、
    コメントを読めば、完結するとかしないとか。
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by epokhe | 2004-09-05 15:26

空語

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言葉はいつも過少、いつも過多。

少なすぎては不安になり、多すぎては虚飾になる。

黙っていること、言葉の不在に耐えられない時、言葉が途絶えることを恐れ、言葉を更に継ぎ足していって、ついには虚しさを極大にしてしまう。

つまり、あるのは「空語」のみ。

とは言え、何も言わないのは卑怯な気がする。

言葉はない方が良いなー、と思う。
言葉がないとやっていけないなー、と思う。

言葉以前というものは、恐らく、もはや、我々にはない。
言葉自体が言葉で編まれる。

そういえば、言葉はメディアの最たるものだった。
Cf.私というメディア
あらゆるものがメディアなのだから、仕方ないし、あがきようがない。
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by epokhe | 2004-09-04 01:01

苛める階段

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歩幅がどうにも合わせられない階段。
故意に人間を痛めつける階段。
黄色いサインの意味を知る。
あるべく場所にある階段。
イタイ。
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by epokhe | 2004-09-04 00:41
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