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外からやって来る「敵」は要りません

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有名になるという事は、それだけ「敵」をつくるという事だ、
と最近とみに感じている。
競争というゲームに参加すると、
そこで追い抜いたり追い越したりした相手が「敵」になる。
私自身はそんな意識がなくとも、彼らからは敵対心を燃やされる。
彼らは、自分より上に位置付いた相手を何とか潰そうとして、
あの手この手を使う。
そんなことされる覚えはないのだが・・・。
競争というのは、その只中にいる時は
躍起になって奮闘できるかもしれないが、
ふと端から眺めると、虚しいに尽きる。
そもそも、マネーゲームやパワーゲームってどこの誰が始めたんだ?
ゲームは戦争に似ている。


では、「敵」にちなんで以下に少し・・・。

「脅威・恐怖の存在」には、「敵」表象と「怪物」表象とがある。

⇒「敵」表象
   我々とは関わりのない外の存在=我々は問われない
   善と悪の切り分け 被害者と加害者

⇒「怪物」表象
   我々と関わりのある外と内の存在=我々を問う
   善と悪の切り分けができない どうしてそれができるか?

「怪物」については以前もう少し詳しく書いたのでこちらをご覧下さい。→創造する人間は絶えず新しい怪物を生み出してゆく
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by epokhe | 2004-10-19 01:01

人間非中心主義

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エコロジーを考える機会があった。
そして、自然に対する態度変更について、
M教授が新しい言葉を教えてくれた。
それは、「人間非中心主義」である。
これは、人間中心主義でもなく、
生命圏平等主義でもない。

エコロジーには主に2つあって、

①shallow ecology
   ・人間中心主義
   ・conservation(保全)
   ・中心となるのは主に先進国の人間

②deep ecology
   ・生命圏平等主義
   ・preservation(保存)
   ・中心となるのは生命圏

に、大別される。

①に対する批判:誰の生活の持続可能性が問題なのか?
②に対する批判:人間抜きに固有の価値を語れるのか?

よって、求められる態度は「人間非中心主義」となる。
これは、人間と自然の関係として見る態度である。
人間は、認識のレベルでは中心主義にしかなり得ないが、
存在のレベルでは中心的でない、ということを知っている。

アップした写真は、「生きている化石」として有名な
メタセコイアの木々である。
抜けまくる青空の下、キャンパスの階段に座り、
これらの木々を見ながら外で親友と昼食をとっていた時に撮影した写真だ。
美しい樹形に価値を見い出すのは私達人間であるし、
これらの木々を眺めて美しい気持ちになるのも私達人間であるが、
メタセコイアは私達のために存在しているのではない。
自然は人間のためにあるのではない。
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by epokhe | 2004-10-17 16:06

ミツバチのささやき

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スペインの監督ヴィクトル・エリセの
『ミツバチのささやき』を観た。
この物語の背景になっているのは、
「スペイン内戦」である。
1940年のスペイン(オユエロス村)という、
独特な時代が舞台になっている。

『ミツバチのささやき』を観た、と言っても娯楽で観たわけではない。
「仕事」として観た。
課せられたテーマに沿って、これから原稿を書かねばならない。

今の私に書けること↓↓↓

「アナ(←主人公)がカワイイッ!」

・・・・・・。

やばい。
こんなんじゃボツにされる。
もっと吟味して何とか書きます。
書き始めればダーーーッと書けるので、〆切には間に合うだろう。

ところで、『ミツバチのささやき』を観たという
奇特な方はいらっしゃるのでしょうか。
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by epokhe | 2004-10-14 21:10

現象以外のことを考えざるを得ない、考えてしまう衝動

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metaphysical・・・形而上学的 = ideal
超える

physical・・・形而下的(身体的、物理的、自然的、自然科学的 etc.) = real


法律や政治などで語られている、
「自由」とか「人権」とか「愛」とか「正義」とかというのは
physicalの面では説明できない。
だから、法律だって政治だって、結局は形而上学的なものを根拠としている。
少なくとも、必然として超越論的なものだ。
経験的には説明不可能な、空間・時間軸を超えたことを前提としているため、
結論としては、法学や政治学なんかで扱えるようなレベルではない。
そう考えると、やっぱりちょっと無理があるよ、と思う。

形而上学は突き詰めていくと宗教的問題と重なる。
例えば、「イラク戦争」は、一種の宗教戦争だと言える。
アメリカは、「十字軍」として派遣している。
「正義」という言葉は、人を評価する時に用いるのは分かるが、
自分の行動を「正義」によって根拠付けるのは、かなり怪しげである。
こういうのを見ていると、人間愛(人類愛)というのは、一般にはないと思う。
同胞愛(民族愛)はある。
「神の名において」殺し合いをする、というのは説明がつかない。
ideal ( metaphtsical )な宗教というものが、
我々のreal ( physical )な生活に密着した、
かなり深刻な問題になっている。
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by epokhe | 2004-10-12 16:13

「鬼十則」をどう捉えるか

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大手広告代理店D社に行った時、
「鬼十則」というのを渡された。
プレゼンテーションシートの、ある箇所を記入する際に、
参照にしてください、とのこと。
書類を整理していたら出てきたので、
その「鬼十則」を以下に。

D人の行動規範「鬼十則」

1.仕事は自ら創るべきで、与えられるべきでない。
2.仕事とは、先手先手と働き掛けて行くことで、受け身でやるものではない。
3.大きな仕事と取り組め、小さな仕事はおのれを小さくする。
4.難しい仕事を狙え、そしてこれを成し遂げるところに進歩がある。
5.取り組んだら放すな、殺されても放すな、目的完遂までは・・・・・・。
6.周囲を引きずり回せ、引きずるのと引きずられるのとでは、
  永い間に天地のひらきができる。
7.計画を持て、長期の計画を持っていれば、忍耐と工夫と、
  そして正しい努力と希望が生まれる。
8.自信を持て、自信がないから君の仕事には、迫力も粘りも、そして厚味すらがない。
9.頭は常に全回転、八方に気を配って、一分の隙もあってはならぬ、
  サービスとはそのようなものだ。
10.摩擦を怖れるな、摩擦は進歩の母、積極の肥料だ、でないと君は卑屈未練になる。

                                                 以上


「鬼」ってのが凄いと思った。

「鬼」が意味する表象を述べると・・・、
怪力・勇猛・無慈悲で、恐ろしい
非常に勇猛な人
ある事に精魂を傾けそそぐ人
むごくて思いやりのない人
血も涙もない人
人にたたりをする無形の恐ろしいもの
強くて恐ろしい
むごい
ひどい
大形の・・・、など。

うーん、流石D社。
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by epokhe | 2004-10-11 23:00

Australiaからやってきた輝く宝

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大宮まで行ってきた。
そして、英語でお喋りする一日を送ってきた。

現在、従妹宅に15歳のオーストラリア人少女がホームステイ中。
中学3年の従妹が、以前、オーストラリアにホームステイしていて、
そのオーストラリアの姉妹校の生徒が、
交換留学で日本にやってきているのだ。

祖母と伯母と従妹2人とAustralian girlと私の6人で、賑やかな時間を過ごした。
Australian girlの名前を、Hちゃんとしておこう。
Hちゃんと初めて会って挨拶した時、まず驚いたのは
「オーストラリア訛り英語」というやつだ。

私の英語は、Britishの先生に言わせると、" too American"なので
最初は、ちゃんとHちゃんに通じるか不安だった。
かつて、いわゆるQueen's English ( King's English )を誇りとするBritishの先生からは、
too Americanだから直しなさい、と言われたこともある(特に"T"の発音とか)。
その時は、「いいじゃん、New Yorker Englishなんだから!」と思った。

それはさておき、Hちゃんもなるべく気を付けて発音してくれているようで
私達は、何とか英語のコミュニケーションを成り立たせていた。
5人とも英語が喋れるので(祖母の英語もHちゃんに通じた・笑)、少しずつ彼女とお話した。
とは言え、祖母や伯母や従妹と会うこと自体久々なので、
親類でも色々と話がしたい状況で、全くもって時間が足りなかった。
またの機会にでも、ゆっくりと話がしたい。

皆でショッピングをした時に、所々にハロウィンのコーナーが設けてあり
ハロウィンの話題にもなったが、オーストラリアではハロウィンを祝う人は多くないそうで
Hちゃんもハロウィン・パーティーなどしない、と言っていた。
ともかく、Hちゃんは礼儀正しいイイ子だった。

他にも、祖母が自動改札に挟まれるなど、面白いハプニングが色々とあり
浮き浮き爛々な10月10日だった。
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by epokhe | 2004-10-10 23:07

肉声から生まれる関係

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またまた、オカノさんから電話がかかってきた。

もしもし、えっとー、○○マンションのオカノですけれども
すいません、今日土曜日なんですが、
えっと、雨漏りが直っていないようで、
また三箇所から、えっと、雨漏りがしております。
えー、申し訳ないんですけれども宜しくお願いします。
それでは。


と、留守電に録音されていた。
台風22号接近中だもの、雨漏りが直らなかったらさぞかし大変だろう。
でも、私にはどうすることもできない。
ごめんなさい、オカノさん。
それにしても、貴女の声をまた聞くことになるとは。
このままだと、どんどんオカノさんに親近感が沸いてしまう。
本気で雨漏り修理をしてあげたくなってしまう。
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by epokhe | 2004-10-09 14:35

八月の傾斜

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大崎善生の短編『八月の傾斜』(『孤独か、それに等しいもの』に収録)
を読んで。

何というか、眩暈の世界。
主人公の石田祐子から私が受け取ったのは、眩暈と嘔吐と喪失。

クラクラするような気持ちのいい眩暈ではなくて、
倒れるためだけにある眩暈。

そして、彼女の嘔吐は、出口のない浅はかな黒い嘔吐。
サルトルや岡崎京子が描くような、「存在」に対する嘔吐では決してない。

それから、彼女の喪失は無意味。
初めから、彼女には何もない。
だから本当は、失うものも何もないはず。

大崎善生という作家は、なんか生きてんだか生きてないんだか分かんないような
人物を描くのが得意だな、と思った。
当事者性がない。
離人症的な人物ばっか登場してくる。
彼の書く文章の基盤が40代中年というところにあるのなら、
精神の意識(意志)も身体の意識(意志)も希薄になってゆくだけの、被影響性中年男性を
非常に危険なものに感じてしまう。
ほっとくと何をしでかすか分からないような、「若者」以上に自己チューな
狂気じみた投げやり姿勢に、私は恐怖を覚える。


cf.記憶とパイロットフィッシュ
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by epokhe | 2004-10-09 03:06

metaphysicalが身近な日本

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日本で仏壇を見た外国人来日客は、
それが一体何なのか知りたがる。
「仏壇」を外国人に説明する時は、何て言ったら良いのだろう。
「この世とあの世の通路です。」
「死んだ人との交流の場です。」
「physicalとmetaphysicalの接点です。」
などと言うのが適当なのだろうけど、
彼らは絶対に「ワケワカラン」と思う。
特に相手が厳格なカトリックの場合、
確実に理解できずに首をかしげる。
考えてみれば、日本人の私でも、言葉で説明してみると
「何て神秘的な伝統だろう。」と思ってしまった。
葬式などの法事も、「この世」で行われているから面白い。
法事というのは、全くもって、遺族のphysicalな世界での行事である。
metaphysicalに通じるものが、日本の現実界には混在していて興味深い。

Cf.現象以外のことを考えざるを得ない、考えてしまう衝動
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by epokhe | 2004-10-08 23:01

平等の根拠は何か

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路上で小学生にけとばされることは石の利益ではないなどと言うのは、
無意味であろう。
石は苦痛を感じることができないのだから、石に利益などはない。
石に対して何をしようと、石の福祉にとって何の違いもないであろう。
他方、苦しめられないということにマウスの利益が確かにあるのは、
もし苦しめられればマウスは苦痛を感じるからである。

ある存在が苦痛を感じるならば、
その苦痛を配慮しないというのは道徳の立場からは許されない。
平等の原理が要求するのは、どのような本性の存在であれ、その苦しみは、他のどんな存在に与えられる苦しみであれ、同様の苦しみ――おおよその比較ができる限りにおいてであるが――と等しく計算されるということである。


ピーター・シンガー『実践の倫理』より

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平等の根拠を考えた時、「利益への配慮の平等」が挙げられる。
そして、それは苦痛への平等の配慮であると言える。
「苦痛を感じる生命体」という観点について、私は考えさせられた。
苦痛を感じるか否かで、動物か否かが決まる。
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by epokhe | 2004-10-08 00:51
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